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ラックフォーカスショットとは?フォーカスの合わせ方

Published on: October 21, 2026
Updated on: October 21, 2026
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ラックフォーカスショットとは?フォーカスの合わせ方

手前にはっきりと人物が立ち、その背後にいる人はぼんやりとぼけています。するとカットを切り替えることなく、ピントがフレームの奥へ移り、観客は彼女がまだ気づいていないものを目にします。これがラックフォーカスショットです。映画制作者が活用するカメラワークの種類の中でも珍しいもので、カメラ自体を動かす必要はありません。ピントが合う面が別の被写体へ移り、観客の視線もそれを追います。このガイドでは、ラックフォーカスとは何か、フォーカスプルとどう違うのか、そしてラックフォーカスショットの撮り方を手順に沿って解説します。

ラックフォーカスショットとは?

ラックフォーカスショットとは、カメラからの距離が異なる被写体の間で、意図的にピントを移動させるワンショットです。一方の被写体がぼけ、もう一方が鮮明になることで、カットを切り替えずに観客の注意を誘導します。

この技法はフォーカスをラックさせるとも呼ばれ、その結果はラックフォーカスショットと表現されることもあります。浅い被写界深度が必要です。シーンのごく薄い範囲だけにピントが合っていると、被写体から別の被写体へピントを移す様子が画面上ではっきりと見えます。手前から奥まで全体にピントが合っている場合は、ピントの合った部分とぼけた部分の差がほとんどなく、観客の視線を誘導しにくいため、ラックフォーカスはかなり目立ちにくくなります。

以下の2つのフレームは、同じ連続したショットから切り出したものです。1枚目では手前にピントが合っています。2枚目ではソファで本を読む女性にピントが移り、手前はぼけています。

ラックフォーカスショットの例、フレーム1:ピント移動前に手前にピントが合っている
ラックフォーカスショットの例、フレーム2:ピントがソファで本を読む女性に移っている

以下の動画では、実際のショットでラックフォーカスがどのように見え、どのような効果を生むかを紹介します。

ラックフォーカスとフォーカスプルの違いは?

フォーカスをプルするとは、カメラが回っている間にピントを調整することです。フォーカスプルは、多くの場合、被写体との距離が変わってもピントを合わせ続けるためのもので、目立たないように行います。一方、ラックフォーカスは、ピントの移動そのものに気づかせ、観客に何かを伝えるためのフォーカスプルです。

この2つの用語を同じ意味で使う映画制作者も多く、実用的な違いは意図にあります。俳優がカメラに向かって歩いてくるとき、フォーカスプルでは顔にピントを合わせ続けますが、観客に気づかれないようにします。鳴っている電話から、それを見つめる人物へピントが切り替わる場合は、観客にその変化を認識させる意図があり、これがラックフォーカスです。

映画制作者がラックフォーカスを使う理由

ラックフォーカスを使うと、1つのフレーム内で観客の注意を別の場所へ移せます。映画制作者は、情報を明かしたり、2人の登場人物や物を結びつけたり、緊張感を高めたり、カットせずに物語の次の展開へ移ったりするために使います。

ショットが途切れずに続くため、観客は変化をリアルタイムで体験できます。そのため、何かに気づく瞬間を描くのに適しています。

映画におけるラックフォーカスショットの例

  • 卒業(1967年):エレインの寝室では、奥の半開きのドア越しに、ロビンソン夫人がぼけた状態で映っています。ピントがエレインからロビンソン夫人の顔へ移り、不倫の真相に気づいたエレインへ戻ります。
  • 007 カジノ・ロワイヤル(2006年):この映画では、ボンドの注意を引くものを見せるためにラックフォーカスを使い、彼が見ている人物や細部へピントを移します。

No Film Schoolでは、映画やテレビ番組におけるラックフォーカスの例をさらに詳しく紹介しています。

ラックフォーカスショットの撮り方

ラックフォーカスショットを撮るには、被写界深度を浅く設定し、距離の異なる位置に2つの被写体を置き、それぞれにピントを合わせる位置をマークします。その後、シーンに合った速度でフォーカスリングを滑らかに回し、一方のマークからもう一方のマークへピントを移します。

ステップ1:被写界深度を浅く設定する

絞りを開き、構図が許す範囲で焦点距離の長いレンズを選びます。次に、2つの被写体が同じ被写界深度内に入らない程度に離しつつ、滑らかにピントを送れる距離に収めます。距離が離れすぎるとフォーカスリングを大きく回す必要があり、タイミングを合わせるのが難しくなります。カメラは三脚などの安定した機材に固定し、ショット内で変化するのがピントだけになるようにします。

ステップ2:ピント位置を測ってマークする

最初の被写体にピントを合わせ、フォーカスリング、またはフォローフォーカスのマーキングディスクに位置を印します。次に、2つ目の被写体でも同じように印を付けます。養生テープとホワイトボード用マーカーが便利です。レンズの距離目盛りを使えば、すばやく位置を設定できます。

ステップ3:フォーカスの送り方を選ぶ

フォーカスリングを手で回すこともできますが、フォローフォーカスを使うと、レンズのフォーカスギアを介して駆動するため、より滑らかで再現性の高い操作ができます。ジンバルやスライダーを使う場合は、ワイヤレスフォローフォーカスを使えば、リグに触れずにピントを送れます。

ステップ4:タイミングを練習する

セリフや視線、音などの合図に合わせてピントを送ります。ゆっくり移動させると内省的な雰囲気になり、素早く切り替えると緊迫感が生まれます。

ステップ5:再生してピントを確認する

マークを設定する際はフォーカスピーキングや拡大表示を使い、撮影後はできるだけ大きな画面で各テイクを確認します。また、ピント移動に伴って構図がわずかに変わるフォーカスブリージングにも注意しましょう。

フォーカス操作をしやすくするレンズの機能とは?

フォーカス操作向けに設計されたレンズには、長いフォーカス回転角、フォローフォーカスと連動するギア付きの機械式フォーカスリング、見やすい距離目盛り、均一な回転抵抗が備わっています。これらの機能はシネレンズでは一般的ですが、オートフォーカス対応の写真用レンズではあまり見られません。

フォーカススローとは、最短撮影距離から無限遠までピントを移動させるのに必要な回転量のことです。多くのオートフォーカス対応写真用レンズは、短く電子制御されたフォーカススローを採用しています。一方、シネレンズは、再現性の高いマニュアル操作に適した、長く機械式のフォーカス回転を採用しています。フォーカススローが長いと、リング上で距離ごとの間隔が広くなり、それぞれのマークに正確に合わせやすくなります。また、ピントを繰り返し移動させる場合は、機械式フォーカスリングが適しています。フォーカス・バイ・ワイヤ方式のレンズは、リングを回す速度によって反応が異なることがあるためです。レンズセットを選ぶ前に、シネレンズと写真用レンズの違いを理解しておくとよいでしょう。

SIRUI Vision Primeシリーズは、フルフレーム対応のシネプライムレンズセットです。24mm、35mm、50mm、75mmはT1.4、15mmはT1.6、150mmマクロはT4です。各レンズは270°の広いフォーカス回転角と、標準的なフォローフォーカスシステムに対応する0.8 MODギアを備え、軽量でジンバルに適したボディに仕上げられています。

Super 35カメラ向けのSIRUI Night Walkerシリーズは、16mm、24mm、35mm、55mm、75mmをラインナップ。すべてT1.2で、270°のフォーカス回転角とクリックレス絞りを備えています。T1.2の絞りは非常に浅い被写界深度を生み、ラックフォーカスをはっきりと見せます。また、BMPCCなどのカメラ向けの、コストパフォーマンスに優れた初めてのシネレンズキットとしても適しています。

まとめ

ラックフォーカスショットは、カットやカメラ移動をせずに観客の注意を誘導します。浅い被写界深度、正確なピント位置のマーク、そして物語に合ったタイミングでのフォーカス操作がポイントです。フルフレーム対応のVision Primeでも、Super 35対応のNight Walkerでも、フォーカス回転角の長いレンズを使うとマークに合わせやすくなります。

よくある質問

オートフォーカスでラックフォーカスはできますか?

はい。多くのミラーレスカメラでは、タッチスクリーンで新しい被写体に触れたり、被写体間でオートフォーカスが移る速度を調整したりできます。スマートフォンも、画面をタップしてピントを合わせ直せます。タイミングや速度を最も自在にコントロールできるのは、やはりマニュアルフォーカスです。

ラックフォーカスショットに最適な絞り値は?

浅い被写界深度を作れるため、開放絞りが適しています。最適な設定は焦点距離や被写体までの距離によって異なりますが、絞りを開くほどピント移動が目立つようになり、より正確なマークが必要になります。

撮影現場でフォーカスを送るのは誰ですか?

プロの撮影現場では、フォーカスプラー、またはファーストアシスタントカメラ(1st AC)がフォーカスを送ります。小規模な制作では、カメラオペレーターがフォーカス操作も担当することがよくあります。

ラックフォーカスはカメラワークですか?

カメラを動かさなくてもできるため、物理的なカメラ移動ではありません。ただし、観客が見る対象を変えるので、カメラワークの一種として扱われることがよくあります。パンやドリーショットと組み合わせることもできます。

SIRUI Saturn V2 横位置・縦位置撮影チュートリアル

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